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BMWと言えば 7代目5シリーズの登場で世間が賑わっているが、ボクにとって真の"Luxury"は、いま新世代7シリーズにある。というか"ナナ"に乗る度に、夢中になる。その言葉では言い尽くせないまったりとした幸せなライド感にこそ、新世代BMWの目指す地平があるような気がしている。
先代までは 7シリーズも、これほどの快適性を持ち合わせていなかった。どちらかといえばその価値観はBMWの旗艦として"ハバを効かせる"方向性であり、全てがどっしりとしていた。動きの鈍ささえもがある種の威厳になっていて、それが若かった自分にとっては「老人のためのクルマ」に映っていたとも言える。もっともこれは日本の速度域で7シリーズの性能を試すことができず、ひたすらゆっくり走るしかなかった中での印象が支配的だからではあるが。
しかし新世代の 7シリーズは、この巨体をしてまるでミズスマシのように進む。
実際そのシャシーには「Carbon CORE」のエンブレムが示す通りカーボン素材が盛り込まれており、従来型と比べて最大で130kg以上の軽量化が果たされているという。つまり戦艦からステルス潜水艦へと変わったというわけである。あっ、もぐる必要は...ない。
とはいえシャシーが軽くなれば、全てが軽くなるほどクルマは単純ではない。7シリーズの場合そのサスペンション構造やダンパーのしゅう動性、ジオメトリーなどが全て軽やかな方向へと稼働するべく動くから、身のこなしが軽くなっているのだとボクは思う。エンジニアたちもきっと、これだけの軽量化が達成できたからこそ、7シリーズに軽やかな走りをイメージすることができたのだろう。
これだけの前置きを説明しなくてはならないほど、7シリーズの乗り心地は、ハンパなく快適だ。足下に20インチのランフラットタイヤを履こうとも(40扁平とボリューミーではあるが)、路面の凹凸や目地段差をトトンッ!と乗り越える。標準装備となる可変式エアサスは、唯一のネガティブである"収まりの悪さ"をダンパーが見事に抑え、ウォーターベッドのような浮遊感なしにそのボディを支えている。
そしてこんな乗り味に加えて、前席にはマッサージ機能まであるのだ。そしてこのポコポコとエアボールを背中に押しつける制御が運転の集中力を削がないレベルに快適で、本当に何百キロでも走ってしまいたくなる。
だからハッキリ言おう。中年男子は7シリーズにチョイ乗りするべからず。こんなものを40代から知ってしまったら、踏ん張りが効かなくなる(笑)。
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【試乗記】BMW 740e iPerformance、中年男子は7シリーズにチョイ乗りするべからず!:山田弘樹 originally appeared on Autoblog Japan on Fri, 14 Apr 2017 04:00:00 EDT. Please see our terms for use of feeds.
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